アートに触れて美意識を高めましょ♫

美しさは、内側から滲み出てきます。美しいものに触れて美意識を高たい人のためのブログです。

立体的なガラス芸術に感動!

ポーランドワルシャワ出身の芸術家

MARTA  KLONOWSKA lstota

マルタ・クロノフスカ(1964~)の個展に行ってきました。

富山市ガラス美術館にて、日本初の個展なのだそうです。

 

クロノフスカは、写真技術が登場する以前の15世紀から18世紀に描かれた

ヨーロッパの名画からモチーフを選び、その中に登場する動物に着目し

作品を制作しています。

 

絵画を読み解く為、最初に紙に線画で形体や明暗など

何度もドローイングをした後、金属で原型を制作し、その原型に無数の

色ガラスを接着させるという気の遠くなるような作品工程なのです。

 

ガラスの作品の側には、

インクジェットプリントされた元の絵画が展示してありますから、

どの絵画からモチーフを選択したのかがわかり、イメージが膨らみました。

 

動物の躍動感を出すために、立体的な形を作る前の下絵をどれほど制作したのだろう?と感心して観ていました。

 

あまりにもリアルなガラス彫刻ですから、絵の中の動物が「ポンッ」と

飛び出て来たようで、今にも動きそうな錯覚をおこしました。

 

 

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クロノフスカの作品は、過去と現在理想と現実美しさと危うさといった

様々な要素を兼ね備え、奥深くに潜む情感をも表現しています。

 

観られる作品は、2003年から現在にかけて制作された作品群に加え、

制作の原点となる下絵や日本の浮世絵からモチーフを得た近作などを

観ることができます。

 

私は、形の美しさに感心しながら観ていました。

片足を上げていたり、尾を振っているもの、跳びはねている様子など、

リアルな形に、今にも動き出しそうな不思議な感覚にとらわれました。

ガラスの作品なのに雰囲気があるのです!

 

繊細で色鮮やかなガラス芸術が見物です!

 

私は、このような作品を観たのは初めてでしたので、

一度で彼女の作品のファンになりました!

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場所は、富山市ガラス美術館です。

この美術館が入る「TOYAMAキラリ」の建築設計を手掛けたのは、

あの有名な建築家の隈研吾さんです!

 

開放感スケールの大きさに感動しました!

とてもオシャレで綺麗な建物ですよ。

 

 

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外観は、御影石ガラスアルミなど異素材を組み合わせてあり、

とても垢抜けています。

立山連峰が発想のもとになっているのだとか。

素敵な佇まいですから目立ちます。

 

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一階に銀行があります。

 

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キラリの文字は、ベンチになっていて憩いの場です。

 

 

 

中に入りますと、木造の温かな印象を受ける内装で、

フロアの真ん中が大きな吹き抜けになっていますので、

明るく開放感がたまりません。

 

エスカレーターを上がる際に各フロアを眺められて、

本当に気持ちがよかったです!

 

エスカレーターを上がっていきますと図書館が見えるのですが

開放的な空間に沢山の本が整理整頓され美しく並べてあり、

ワークスペースもありますので、快適な空間で読書が楽しめます。

調べ物や勉強がきっと捗ります!

 

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また、2階にSHOPもあり図録・ガラス製品やその他、

素敵なものを見つける事ができます。

疲れたらFUMUROYA CAFEで「加賀麩」を取り入れた甘味や、

生麩を使ったヘルシーランチなど、カロリーの気になる方に

優しいメニューが

嬉しいです。

 

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とても優しいお味で美味しいので、是非、ランチ&カフェにご利用下さい。

 

 

ちなみに【大和百貨店B1】にこちらの商品の一部を売っています。

生麩や真空パックに入った「お麩のハンバーグ」、

乾燥したお麩の中に具が入っていてお湯を注ぐだけの「お味噌汁やお吸い物」、

こしあんの入った「生麩まんじゅう」など。

是非、こちらもお立ち寄り下さいませ。

  

 

 

その他、北澤美術館所蔵 

ルネ・ラリック ~モダン・パリのエレガンス~」

開催しています。

 開催期間は、2019/4/27~9/23です。

 

ラリックは、19世紀~20世紀に活躍したフランスのガラス工芸家

金細工師、宝飾デザイナーでアール・ヌーボー(新しい芸術の意)、

アール・デコ(装飾美術という意味。直線を基調とした実用的なデザイン。幾何学図形をモチーフにした記号的表現や、原色による対比表現などが特徴)

両時代にわたりそれぞれの様式を極め、華々しい成功をおさめ、

類い稀な巨匠として知られています。

 

 ラリックは、1860年フランス・シャンパーニュ地方・アイ村の出身で、

幼い頃から豊かな自然に囲まれて育ちました。

 

村で風景をスケッチし絵はがきにしては、となり村のエペルネィ

売りに行きお小遣いを稼いでいたそうです。

 

 

1875年、ラリックが15歳の頃、パリにオペラ座が完成。

ガルニエという若い建築家が設計した建物は、みんなの注目の的になりました。

 

ラリックは、見習いの時代から晩年まで、オペラ座ルーブル美術館の近くを

制作の拠点としました。

 

当時のパリは、観るもの聞くもの新しい事ばかりで、好奇心いっぱいの

ラリックにとって、毎日が驚きの連続だった事でしょう。

アイの大自然と、パリの芸術と文化のるつぼ。そんな環境が

ラリックの才能を育んだのです。

 

1876年、ラリックが16歳の時に父親が亡くなり転機が訪れます。

ラリックは、パリに移り住み、母親に勧められ、宝飾職人に弟子入りします。

宝飾作家のもとで金細工や宝飾技術を学びながら、夜は宝飾美術学校に通いました。

 1885年には、熟年の宝飾集団を有する宝飾工房を構え、カルティエブシュロンなどの有名宝石店にデザインや作品を提供しました。

 

時はまさにアール・ヌーボー様式の全盛期で、彼が創り出す宝飾品の数々は、

それまでの宝飾界の常識を打ち破る斬新なものでした。

 

  

1900年のパリ国際博覧会でまさに頂点を極め、

ラリックの名声は、「アール・ヌーボーの勝利」とまで謳われ、

そこで発表された多くの作品は、

世界中の美術家や収集家が競って買い求めたといいます。

このときラリックは、40歳でした。

 

1906年、ラリック46歳の時、服飾デザイナーのポール・ポワレ

従来の伝統であったコルセットを使用しないドレスをは発表したのです。

これを機に、上流階級の女性のファッションはシンプルなスタイルに変化したため、

装飾性の高いアール・ヌーボー・スタイルのジュエリーの需要が激減します。

 

この出来事によりラリックも打撃を受け、新しい発表を模索し、宝石に変わって

ガラスを使用する新しいジュエリーを制作し始めました。

 

ラリックによるアール・デコ様式のガラス工芸は、

まず香水瓶(fulacon)によって始まりました。

 

1907年、香水商フランソワ・コティは、女性の憧れの的であった

宝飾家のルネ・ラリック香水瓶のデザインを依頼します。

これが、ラリックの後半生を決定づけた出会いとなりました。

 

彼は、香水瓶をただの製品としてではなく、その中に入れられる

香水のコンセプトにあわせてデザインを施しました。

コティは、ラリックのデザインにより巨万の富を得ました。

 

 

 前半生は、アール・ヌーボー様式の金細工師・宝飾デザイナーとして活躍し、

その分野で名声を得ていました。

 

1925年のパリ万博(通称アール・デコ展)は、フランスから世界に広まり、

1920年代を中心に流行したアール・デコの盛り上がりの頂点でした。

アール・デコ展では、ラリックがガラス部門の責任者を務め、自社のパビリオンも

展開しました。

さらに高さ15メートルにもなるガラスの噴水塔を出展し、当時の新しい技術である

電気照明で噴水とガラスを輝かせ、人々を魅了しました。

 

65歳のラリックは、アール・デコのガラス工芸作家としての地位を確立し、

第二の成功を収めました。

 

ラリックの作風は、一貫していました。

扱う素材や大きさは変わっても、その特徴には彫刻的なスタイルがあります。

ジュエリー時代に培った彫刻的なデザインをガラス作品にも生かし、浮彫り

レリーフを刻んだガラス器を制作しました。

 

1920年からは幾何学文様のアール・デコ様式に代わっていきましたが、

彫刻的作風は変わることはありませんでした。

 

ラリックはまた、一貫して自然美女性美を追究しました。

それに加えて生と死のテーマも造形に取り込み美の存在の意味を問いかけました。

 

その表現には、ジャポニズムボタニカルアート、グロテスクな怪奇趣味など

さまざまな要素が混合されてます。

 

ラリックは高い技術を駆使してガラス素材を使って万物を表現しようとしました。

 

宝石を使わず宝石に匹敵する美しさのガラスパーツを用いたジュエリーや、

ガラスに金・銀・エナメル装飾を施し、異素材を組み合わせた豪華な装飾品などを創り出しました。

 

そしてラリックは、照明の分野にも革新をもたらします。

クリスタルで有名なバカラ社やサン・ルイ社は、電球が登場してからも、

ろうそくを使用する伝統的な型の照明器具に、ろうそくの形をした電球を

取り付ける照明を生産していました。

 

しかしラリックは、近代の象徴であった「電気」の発明にもいち早く着目し、

ガラスの透明感を生かして間接的な明かりを作り出しました。

ここにもラリックの先見性がよく表れています。

 

1921年からガラス工芸が盛んに行われていたアルザス地方の

ウィンジャン・シュル・モデに有能なガラス工を集めガラス製造を開始します。

ここでガラスの量産を効率的に行い芸術家であると同時に経営者としての能力も発揮しました。

 

ウィンジャン・シュル・モデの工場では、現在も200人近い職人が働いており、今もなお世界で高い評価を誇るラリック社のガラス製品が製造されています。

 

 富山ガラス館

〒930-0062

富山県富山市西町5-1

076-461-3100

営業時間

日~木 9:30~18:00

金土  9:30~20:00

休館日

常設展・企画展とも

第1・3 、年末年始

 

不室屋カフェ・富山キラリ店

富山県富山市西町5-1  2階

営業時間

9:30~19:00

休館日

第1 、年末年始

🚋アクセス

富山駅から市内電車環状線にて約12分

「グランドプラザ前」下車徒歩約2分

🚗アクセス

富山ICより約20分

専用駐場なし(周辺駐車場に駐車する事になります)

 

日本で、ラリックの作品が鑑賞できる美術館

箱根ラリック美術館

東京都庭園美術館

◆飛騨高山美術館