強羅駅からバスに乗り、ポーラ美術館へ行きました。
ポーラ美術館は、富士箱根伊豆国立公園の仙石原・小塚山の麓に位置し、
樹齢300年を超えるブナの巨木や自然の樹木に囲まれた自然豊かな美術館です。
ポーラグループのオーナーであった故鈴木常司氏の
40数年に亘り収集された9,500点余りにも及ぶ
世界に誇る規模のコレクションが所蔵されています。
19世紀のフランス印象派、エコール・ド・パリなどの
西洋絵画が約400点、日本画約160点、彫刻約30点、東洋陶磁器約180点、
日本近代陶磁器約200点、アール・ヌーボー期を中心としたガラス工芸約90点
などです。
「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトとしていて
本来、この土地が保有していた植物生態系を極力損なうことなく、
広大な敷地内の動植物や地形、地質、水流の調査を詳細に行い、
沢や谷を避けた最も影響の少ない位置に美術館を配置、
地上部分の高さを8mに抑えて木々の間に隠れるように
設計したのだとか。
どのように美術館建築が自然環境と共存するかが課題だったそうです。
明るくて緑が豊富で、でも垢抜けている
とても開放感のある美しい美術館です。
森林浴が気持ちよく大きく深呼吸をしながら
マイナスイオンをたっぷり吸って入口へ向かいました。
美しい緑が目に優しく、鳥のさえずりを聞きながら橋を渡りますと、
ドーン!と、ガラスの建物と木の扉がでてきます。
左手の大きな木の扉を入りますと、
ガラス面を通して、小塚山の風景が開けて、
とても眺めが良く、開放的な気持ちになりました。
さらに階下を見ますと地下2階まで吹き抜けになっていて
圧倒されました!
この日は、秋晴れで空か澄んでいて、とても気持ちが良かったです。
表情豊かな雲を楽しみました。
佐藤忠良(1912~2011)作 ブロンズ像
「カンカン帽」1975
まず、好きな作家さんの作品に迎えられテンションが上がりました!
ガラス張りの開放的な空間と自然の豊かさに感動しながら、
エスカレーターで降りていきました。
素晴らしい開放感のある建築は、建物のほとんどが地盤面より下にあります。
1階受付け横の野外スペースに彫刻作品「しあわせな犬」がお出迎え。
動物の保護活動にも携わるniu(にゅう)による彫刻作品で
箱根の雄大な自然との調和を目指して設置された素敵な作品です。
大きくて存在感がありますので、暫く見とれていましたが、
楽しそうに踊っているように見えて、
思わず微笑みました。
アトリウムギャラリーでは、開館15周年にあたる2017年に
公益財団法人ポーラ美術振興財団の助成を受けた
現代美術作家の活動を紹介しています。
芸術と美術館の可能性を「ひらく」という趣旨の
「HIRAKU PUROJECT」の第9回目の展示は、
半澤友美さんの「 The Histories of Self ]です。
半澤友美さんは、紙漉きの手法で、
紙の原料となる植物の繊維から
独自の造形物を制作するアーティストです。
1988年栃木生まれ。
女子美術大学立体アート学科で紙繊維素材を学び、
手漉き紙や紙の原料となる植物繊維を利用した
インスタレーションを作成。
それぞれ紙の性質を活かして固有の色味や凹凸など
さまざまな形や大きさの作品を生みだしてきました。
紙を構成する繊維どうしの交わりや、紙と紙そのものが
おかれた空間との関係性を
自己の存在する社会に見立て、おもに立体や
インスタレーションとして発表しています。
この開放的な空間に約300枚の紙で構成するインスタレーションを初公開。
植物の繊維が絡み合った、着色された原料を平らな板の上にスポイトで
点々と垂らし、幾重にも重ねプレスにかけて一枚の紙を作ります。
こうして制作された紙は、赤や朱、紫、褐色などの
紙の原料の選び方や厚み、プレスのかけ具合などの条件により
それぞれ異なります。
「人それぞれに個性があるように、自身が手掛ける紙にもそれぞれ個性がある」
と。紙の素材感豊かな作品は、素材の持つ儚さや、
まだらな色のありようにより、
不穏な空気感を漂わせ、観るものをそれぞれが積み重ねてきた
時間の存在と向き合う事をうながしています。
色合いが大人っぽくて、シブくて、
紙の儚さと人生の儚さとが重なって、
胸にジーンときました。
「世紀の巨匠たちと現代アート」展
2019/8/10~12/1 まで
現代美術の作家たちを本格的に紹介する展覧会
世界で活躍する13人の現代作家たちと、
モネ、ピカソなど芸術の巨匠との
セッションにより生み出される新たな響きを
堪能できます。
「アネモネ」
水に多数の白い陶器を浮かべてあり、
水が揺れる際に陶器が隣のものと当たる際の音の響きが、
とても美しく、暫くの間、陶器のユラユラ揺れる姿と、
響き合う音を楽しみました。
ラリックとガレの素晴らしい芸術作品にも出会いました。
「薔薇文ランプ」
「ユリ文化器」
「紫陽花文ランプ」
「菊花文花器」
「ケシ文花器」
ガラス工芸品は、美しいですから、目が釘付けになります。
「日本風の花瓶」
岡田三郎助
「あやめの衣」
「リュート」
モネ、セザンヌ、ピカソ、ダリ、横山大観、黒田清輝、梅原龍三郎その他、沢山の作品を観ました。
本当に素晴らしい作品の数々で、時間を忘れて鑑賞しました。
美しい絵やガラス作品を堪能した後は、カフェにて休憩。
美味しいパフェを頂きながら、余韻を楽しみました。
「syncopation 世紀の巨匠たちと現代アート」展
2019/8/10~12/1 まで
是非、行ってみて下さいね。
入場料 1,800円
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
年中無休(展示替のため臨時休館あり)
〒250-0631
℡ 0460-84-2111
【アクセス】
🚗車の場合 御殿場ICより約20分
箱根湯本方面より約25分
🚋電車・🚌バス利用の場合
東京駅(東海道新幹線・約40分)→
箱根湯本駅(箱根登山電車・約35分)→
強羅駅→箱根観光施設ゆめぐりバス(湿生花園行・約13分)→
ポーラ美術館到着
🚋電車・🚌バス利用の場合
箱根観光施設ゆめぐりバス(ユネッサン行き・約3分)→
ポーラ美術館到着